炭酸塩球状コンクリーション (宮崎県総合博物館)

宮崎市田野町岡川より採集

1994(平成6年)に岡船橋の橋脚建設時に採掘された。

宮崎層群の基底部(約600〜700万年前)

大 (直径約1.2m 重量約2.5t)裏側の突起部から、大小2つの生物の遺骸からできたと考えられる。

中 (直径約75cm 重量約500kg)搬送時にコンクリーション同士がぶつかって破損。片方は名大博物館。

小 (直径40cm 重量100kg)

清武南IC付近の高速道路建設時にも採掘され、ICに屋外展示されている。

近くの、露頭にもコンクリーションの様子が伺える。

海中の砂が石化する過程で、生物の遺骸の腐敗による酸と海水中のカルシウムイオンが急速に反応し、硬い炭酸カルシウム(CaCO3)となって固まって行ったもの。

*炭酸塩(たんさんえん、英: carbonate)は、炭酸イオン(carbonate、CO32)を含む化合物の総称である。

名古屋大学博物館 吉田英一教授
名古屋大学博物館 吉田英一教授

2〜3センチサイズのツノガイコンクリーションでは数週間程度で、またメートルサイズでも数年程度の可能性が出てきている。博物館の1.2mのコンクリーションでは10年から30年と予想されている。

コンクリーションの大きさは、生き物が持っている炭素量で決まるので、大きなコンクリーションをつくるのは大きな生物と考えられる。

同じタイプの球状岩石が04年、火星でも発見された。小粒で青いため、科学者は「ブルーベリー」と名付けた。形成の仕組みは未解明で、かつて豊富に存在した水によって生じたとの見方があるほか、火星の生命が作った可能性もあるとされ論議を呼んでいる

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