ストロマトライト

ストロマトライト(宮崎県総合博物館 展示室)
コレニア(宮崎県総合博物館 展示室)

シアノバクテリア(ラン藻)という微生物が海岸の浅瀬で成長し、分泌した粘液に周囲の泥が付着し、薄い膜を作り、長い年月をかけて、その薄い膜が積み重なることで形成されたと考えられている。コレニアもストロマトライトの一種。

この小さな微生物の活動が、かつて地球環境に大きな変化をもたらした。原始地球の大気は長い間、酸素がほとんどない状況にあった。20億年以上前にシアノバクテリアが地球上に出現し、二酸化炭素を吸収して酸素を出す。つまり酸素発生型の光合成を始める。

こうして排出された酸素は海中だけでなく、大気中にも蓄積されていきます。上空では紫外線によりオゾン層を形成した。

紫外線は、生体への作用により、UV-A(波長400~315ナノメートル)、UV-B(315~280ナノメートル)、UV-C(波長280~100ナノメートル)の3つの領域に分けられる。UV-Cは生物にとって最も有害ですが、オゾン層と大気中の酸素分子で完全に吸収され、地表には届かない。UV-Bも吸収されるが、一部は地表へ到達し、皮膚ガンや日焼けを生じさせ、しみやそばかすの原因となる。UV-Aの大半は地表に達し、しわやたるみの原因となる。オゾン層破壊で影響を受けるのはUV-Bで、オゾン層が1%減ると、地上のUV-B量は約1.5%増えるといわれている。オゾン層によってUV-Cがカットされるまでは生物は海水中でしか生きることができなかった。オゾン層が形成されて、生物は陸上に進出することが可能となる。

現在でもオーストラリアに存在し、細々とストロマトライトが形成され続けている。

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